滑稽だなとの嘲笑いを、藤馬さんは“僕の頭上に投げかけていた”。
「ああ、けどよ、わたるん。そう考えれば、てめえは“きちんとされてる”ぜ」
「きちんと……?」
「儀式通りに殺してくれるって、ことさ」
それが幸か不幸かだなんて判別できない。
余命も分からずいきなり復讐(殺)されてしまう百々の家系の誰かと比べて、僕は二十歳になってから“儀式通りに殺される”。
「中指を体に宿したてめえを、あちらさんは気に入ったらしいな。あ?気に入ったから中指宿したのか?どっちでもいーけど、わたるんは特別だ。
特別に、“本物の因果応報”を味わえるだろうよぅ」
百々がした自業自得が負の連鎖を生み、因果応報が完璧なる形式を持って僕に“昔を繰り返させる”。


