思惑は違えど、結果は最良。答え合わせなどできない神様作りは、その最良に目を向けられて続けられた。
終わり良ければ全て良し、だなんてあるけど、過程に起こったことを間違いと思わないだなんて、何度でも同じことを繰り返す結果に繋がるじゃないか。
「だったら……、百々はなんで……」
歯止めがない、“神様作り”と信じて疑わない儀式をし続けたくせに、大正になってから没落をしてしまった。
吐きはしなかったが、僕の息の乱れを藤馬さんは鼻で笑う。
「昔と今は違う。言うだろ?お前の言葉なら、『時代の波に勝てなかった』ってやつ?
風習が文化が法律が、大きく変わる時代になって、やっと百々のやる儀式が『非人道的だ』と言う奴がい始めたんだろうよぅ。
ま、そんな“反発因子”が一族に出始めたのは明治だろうな。そこから長い年月をかけて、やっと儀式を取り止めて、社会に罰せられないよう闇に葬った、てなあたりだーが。
『はいそうですか』って、黙ってられねえもんが、まだいるんだわ」


