「誰かの不幸を自分の幸福に。誰かを犠牲にして自分は生きて。幸せ掴むために、誰かの命を叩き売りしちまった百々は、栄えた。栄えちまった。
本人たちは“神様作り”という崇高なる儀式をしたつもりでも、端から見りゃあ、呪術の儀式他ねえよ。
人ひとりにある幸福を無理矢理に搾取(殺)して、それを自分たちに回してやる。我ために他はあり、犠牲前提での幸福を作為的にやっちまうとなれば呪術の他ねえよ。
仮にも相手を呪う意思なんかないから呪術じゃねえっつう奴がいたとしてもだ。“相手に呪われちまうようなことしてんだから”、間抜けだよなぁ。
間抜けなのに、誰一人として疑わなかった。一族が栄えた理由は『神様のおかげ』だと、中指を奉っていただろうなぁ」


