「なんで残さなきゃいけねえのが中指だったかは、単純に“五指の中で吊るしやすい”とかちょうどいい位置にあった長い命綱程度の理由だ。
残す部位は――即身仏(ミイラ)にするのはなんでも良かった、小さければ小さいほど早くに干からびる。体重請け負ったせいで、中指の血はほとんど残っていねえだろうしなぁ。わりかし早くできあがったんじゃね?
“神様作り”で神様になった奴の一部を手元(現界)に残して、そのご利益を得ようとした。
魂ってのは肉体に縛られていんだよ。あー、こりゃ奥さまの分野だが、肉体が朽ちるまで魂は囚われたまま、天になど召されない。
え、なに?神様にするのに矛盾するってー?そーでもねえよ、矛盾するからこそ都合良く考えられんだ」


