中指斬残、捌断ち儀




「“じゃっきん”――!」



「っ……!」


映像を流した頭を思わず叩いたが、命綱としてあった中指の寸断シーンはもう再生されていた。


両方同時に、切られたことにより、“だんっ”と体が一気に垂れ下がった。


首から下へ、人らしからぬ潰した虫みたいな音をあげた喉がそれっきり沈黙する。


瓜みたいな体が、風もないのに揺れて、絞首台を“きぃきぃ”と軋ませていた。


きぃきぃ――

立て付け悪い扉が勝手に開くようなか細い音に合わせて、首から吊るされた体と、“寸断されても落ちることがなかった青白い中指”が揺れを分かち合う。


体が一つに、中指二本。


宙ぶらりんなそれらを、“僕は見上げている”。


見上げて、いた――


血が出ないのに赤い中指寸断面から、俯き加減のその人の口も目も見開かれたままだった顔さえも見て――