中指斬残、捌断ち儀



大きなわっかに首を、小さなわっかに中指を。

“ぎちぎち”と縛り上げて。


「首だけならすぐに窒息死だが、負荷がかかるとこがもう二つできちまう。中指が“命綱”になんだよ。

これ、これだよ、これっ。このほそーい中指が、首にかかる圧迫を分かちあっちまう。

三点に分散された負荷だが、これが苦しいのなんの。やったことなくたって、わかんだろ、想像できんだろ?

体を吊るす中指は鬱血し、肉が伸びて、骨が外れる。ぎちぎち、みしみしと、細胞からの金切り声が痛覚をかっ切る。

首だってただじゃ済まねえよ。命綱にしちゃあ、あんまりにも頼りなさすぎるからな。手首からならもしかしたら楽になったかもしれねえけど、中指。シシッ、中指だぜ、中指!


指一本、二本合わしたところで全体重を請け負えるわけもねえよ!中指だけで逆立ち続けられるやつなんていねえしなー!首だってぎりぎりぎっちぎっちで、悶え必須だなぁ。

意味ねえっ、なーのーにー、死なねえんだわ、これが!」