中指斬残、捌断ち儀



「中指斬残、捌断ち儀。

神様苦持つ、貴方の為に。

四季を巡りて、二桁二回。

死期を待ちわび、二回二桁。

人様供持つ、貴方のために。

中指斬残、捌断ち儀。


殖せよ祝せ、斬残残」


「……」


沈黙の間。

何も言えなくなり、頭が真っ白になる。


あまりにも“そのまますぎて”、あんまりにも“はっきりすぎて”。


「ああ?ちびったかぁ?」


挑発めいた声で、なんとか我に返るも、心臓が胸を突き破るほどに大きく動く。


「わたるんの“頭の中のもん”が、どう聞こえてんのかは知らねえが、今詠んだのが儀式時の“祝詞”だ。

分かるか、祝詞って。神様からのご利益得るために詠む言葉だ」