中指斬残、捌断ち儀



「我流で、“神様作り”ですか……」


「我流ながらも、既存の応用。パクリじゃねえオマージュだ。百々は、“中指を生き仏”にした」


そう言った藤馬さんが、机を人差し指でトントンと叩き始めた。


メトロノームみたいな規則正しいリズム。


「なかゆびざんざん、はったちぎ」


動揺が体に走り、手先が震えた。


五歳のあの時から誰も口ずさんじゃいないのに、僕の頭に根付いた――歌。


「どう、して……」


「呪いに関しちゃあ、俺の知らないもんはねえんだよ。もっとも、“中指”に関しちゃあ、もとは呪いでも何でもねえ“一族繁栄がための儀式”だろうが」


なら、藤馬さんがやけに百々の家系に詳しいのは、単に“中指の呪い”に関連していたことだったからか。


ここからが本題とばかりに、藤馬さんがあぐらをかいた。