中指斬残、捌断ち儀



生け贄が名誉ある死だなんて、百人殺せば英雄だ、という言葉を思い出す。


殺害の美化
殺人の正当化。


罪を犯してならない神職が、“それは罪ではない”と肯定化して、血で手を染めたわけか。


「人身御供の儀式だなんて、本来、神様に捧げるだけのもん――山やら海やらに供物(人)を放置するだけで、殺人なんかするわけもねえんだが。

百々のだあれが、考えたんだろうなぁ。人を殺すことを前提とした、――“神様作り”を」


「神様を作るのに、なんで人が犠牲になるんですか」


「人間は神様になれんだよ。徳を積んだ坊主が生き仏にされたりなんて昔はざらだし、外国じゃキリストか。あれも神になったじゃん」


「……」


あれ、キリストはもともと神の子と言われていたような……。注釈をいれようとしたが、僕も詳しいわけではないので口を閉じた。