中指斬残、捌断ち儀



話を聞くために手を休めていたら、止めんなと催促された。肩揉みしながら聞けということらしい。


「わたるんの今の姓は春夏秋冬だっけ?」


「はい。ですが、もとは百々(どうど)の姓でした。今の姓は……その、結婚して百々の家から籍を抜いた伯母さんの養子になってからつけたものです」


「春夏秋冬もまたいけすかねえ姓だが、そうか、百々か。あー、なんか納得いった。魚の骨が取れた気分だ」


一人で納得されても困ると思えば、藤馬さんはきちんと肩揉み分は話してくれるらしかった。


「百々の家系は江戸時代後期からある、神主の家系なんだよ」


へえ、と自分の家系のことながら初めて思った。昔ながらにある神主の家系とは聞いていたが、江戸時代だなんて由緒ありすぎる家系だろう。