「猫背だからですよ、もしくは……」
寄る年波には勝てないわけで、とまではさすがに言わなかった。
いや、でも、本当に固い肩だ。骨と筋肉の間に鉄板でも埋め込んでんじゃないかと思う。
まずこれは揉む前に、ほぐすべきかと、僕は肘でぐりぐり藤馬さんの肩をなじった。……軽く楽しい。
「人身御供(ひとみごくう)って知ってっか?」
あー、きもちぃ。と言っていたと思えば、そんなことを聞かれた。
「いえ、知らないです」
「神様への供物に使われる人間。もしくは誰かの欲望を成就させるために犠牲となった人のことだ。
お前の呪術の発端が、人身御供による儀式の成れの果て。儀式をやる奴なんかいねえのに、まーだ引っ張る“残骸”がいるんだろうなぁ。
ま、終わらせたくねえに決まってるわな。終わらせちまったら最後、『今までのは何だったんだ』って生け贄が怒るに決まっているってーの」


