本当にこの人は……、と五十鈴さんと正反対な悪徳ぶりは冷めた目で見てしまう。
とりあえずは、誰かを殺すわけではないのかと僕はヒトガタの切り抜きを再開した。
「ああ、てめえの呪術(中指)も、もとは犠牲から産まれたもんだよなぁ」
鋏が手から落ちそうになった。
指環に添えられた自身の中指を見て、鼓動が早鳴るのを感じ取る。
呪いについて、僕は深く知らなかったし、知ろうともしなかった。
僕を二十歳で殺し、生かすモノ。周りを不幸にするモノなどは、伯母さんの“浄め儀”最中に罵倒らしく飛ばされていたので僕が知れるのはその範疇。
藤馬さんに初めて会ったとき、この人は何かを知っていると思っていたが……いざ聞こうとすると憚れた。


