「“もしかしたら”、か?」
見越した言い方をしてくる藤馬さんが、裂いた紙を捨てた。
「藁人形とは――丑の刻参りとは程遠い呪術で誰も呪われやしねえよ。けどな、お前は今、“もしかしたら誰かが?”と思っただろう。
そんなのあり得ないと思ってもダメだ。“そんなことがあると思った上でのあり得ない”じゃ、もう手遅れなんだよ。
俺が作った内の呪術(一つ)は、そんな信じる意思を本当にしちまう。1%でも俺の言葉を信じたら、本物にしてやる。
分かるか?もしもどこかの誰かの体が真っ二つになったとしたら、そりゃあ、俺がヒトガタを破ったからじゃねえ」
ここだ、と藤馬さんが僕の額を鷲掴む。
「ヒトガタ破った一連の流れは単なるブラフ。てめえが信じやすいようにやっただけであって、俺の言葉を信じたてめえの頭のせいで――どっかの誰かが死んだだろうよぅ」


