びろーんと弾力ある大福の皮を伸ばして食べる藤馬さんが、片膝を立てながら、僕の質問に「あー」と脱力気味に答えてくれた。
「旦那さまと奥さま」
機嫌の良し悪しもあるが、藤馬さんは案外質問すれば答えてくれる。しかし、その答えはズボラな藤馬さんらしくテキトーなものでしかない。
「五十鈴さんは奥さまじゃないと言ってましたけど。結婚しているんですか」
「してねえよ。つか、できねえ。奥さまも俺に至っても、住民票作れねえ立場だから。役所で婚姻届なんて無理なんよ」
「じゃあ、夫婦ではないんですね」
「形式上はそうかもしれねえけど、奥さまの初めて貰うのは俺なんだよ。初夜はやっぱ、旦那さまのもんだろぅ?
ま、初夜したあとに気にくわなかったらすぐに“離婚”すっかもしれねえけど。目下、あの女が股開くまで誰にも盗られねえようにツバつけとかなきゃなぁ」
だから奥さまにしてやってんだ、との話を理解できなかった小四でした。


