中指斬残、捌断ち儀



「渉は戒めを破った。もう手遅れなんだよ、二十歳には必ず死ぬ。そうして、渉の近くにいる者たちとて、被害がくる。

私たち百々の血筋ならばなおのこと。貞夫君とて、籍をこちらに入れているのだからただでは済まない。

戒めを破ったツケは家系全員に響く。ここにいる四人だけでなく、親戚一同、皆に不幸が来るだろう」


「だから、捨てると言うのか……。まるで、害虫だ。害なすから駆除するのとおんなじじゃないか……っ」


「貞夫さん、ちょっと!変なこと言わないでちょうだい……!」


「お母さんは黙っててよ!この人の言うことの方が正しいんだから……!」


またいがみ合う女組をよそに、貞夫は義父に意思は変わらないと告げた。