中指斬残、捌断ち儀



五十鈴さんに至っては、「また渉に悪さしに来たのか!」と畑に入ってきたタヌキを見るがよろしく憤慨しながら、ゴミを竹ホウキで掃き出すがごとくの追い出しをよくしていたが、それでも藤馬さんは懲りずにやってくる。


ガキいびりするため、この土地が癒しスポットだから、ただ飯食えるから、とかそんな理由を言っていた気もするけど。


いびりというよりは、ちょっかい。癒しスポットというよりは、借宿。ただ飯というよりは、在り合わせの賞味期限ギリギリ……というか、ほんの些細ないたずらで、賞味期限超えたお菓子をよく出していました。


初対面時の威勢のせいで、びくびく怯えていた当初だけど、会う度に藤馬さんの無職なニートさながらのぐうたらぶりを見てしまえば、段々「おかしいな」と思い始めて、秋になるに当たってはもはや藤馬さん=暇をもて余した客人として僕は適当に相手をしていた。