「それは……」
「大役任せるからには、こなすだけの価値あるメリット持ってこいや。ああ、ガキで“遊んでやる面白み以上のやりたさ”がなきゃ、やってらんねえな。
知ってんだろ?俺の幸福は誰かの不幸。それを肴に笑い飛ばしてやんのが、俺の娯楽だ。無惨たらしく、悲惨に、ぎゃん泣きするぐれえならもう駄賃まで投げてもいいぜぇ。
俺の見立てじゃ、ああ、そのガキは“いい素材”だ」
シシッと決まった笑いが僕に向けられたが、その前に五十鈴さんが立つ。
何かを心に決めたように、一拍だけ間を置いて。
「だったら……、渉を助けてくれるというのなら、私が」
その先の言葉など分かりやすかった。
自分をなげうってまで、僕を救ってくれと――『私が代わりに、何でもするから』とあんな男に身売りのような真似をした五十鈴さんを止めたのは――僕ではなく、あの男だった。


