中指斬残、捌断ち儀




渉(僕)なんて、どうでもいい。



「あぁ……」


けど、心残りがあった。


――五十鈴さんに、恩返しできていない。



もう叶わないことでも、死ぬ前にせめてお礼がしたかったなぁ――


「……。いけ好かねぇ」


何か聞こえたかと思えば、放り投げられた。


本当にゴミ扱いな体は参道に打ち付けられ、軽く目眩を覚えた。


気絶をしなかっただけまだいいか。喉に詰まった泡ごと、胃液を吐き出す。


胃の内容物までは出なかったが、鼻にかけて何か酸っぱいものが通った不愉快さにかられた。


「イラつく、ムカつく、うざってぇ。三拍子揃っちゃって、まーまーまー、なんつうガキだよ、ちっ。これじゃあ、殺しても楽しくねえじゃん」