――ああ、死ぬんだ。
男の言葉の通り、苦しいからこそ、生死をよく実感できた。
苦しいからこそ生きている。
苦しすぎたからこそ死んでしまう。
痛みがなかった僕、少なくとも二十歳まで死ぬことはないらしい僕は別段、生きたいとも死にたいとも思っていなかった。
死ねないから生きているだけ、というような僕が、まさか今日死ぬとは思わなかったけど。
「……」
ああ、もう――
“死ぬことさえ、どうでもいい”や。
どうでもいいことと、どうでも良くないことで分類された僕の世界だけど――そうか、意識しなかっただけで、“一番どうでもいいのは僕”なんだ。


