「――、イスズさんっ」
彼女の姿を見ただけで、はしゃげる子供となっていた。
僕を待っていてくれたのか、相変わらずの服装の彼女は緑とアスファルトの一帯ではよく目立つため、遠目でも分かった。
走って、突撃ほどに、僕は五十鈴さんの体に抱きつき、その出会いを喜んでみせる。
「おかえり、渉」
抱きつく僕を邪険にせず、彼女は快く迎えて、優しい言葉を投げかけてくれた。
おかえり、だなんて僕に対してそう言ってくれるのは彼女ぐらいなものだろう。
挨拶は大事というけど、まさにそうだ。おはようもこんにちはも、ただいまと言えておかえりと返してくれるのも、全部、相手がいてくれるからこそできることだ。
挨拶を口にした瞬間に、僕は一人ではないと思えた。僕をきちんと見てくれる人がいると、優しく接してくれる人は嬉しさしか込み上げない。


