「だから、渉。私はずっと、お前の味方だ」 平等に差し伸べられない手だからこそ、差し伸べたものに対しては、絶対に離さない。 五十鈴の割りきれない性格がした行いは決して誉められたことではないが――貶すこともできない行いであった。 少年との邂逅から、徐々に距離を詰めていく今。 結果的に、五十鈴が知らないだけで、少年は救われていた。 根本的解決にならない救いでも。 生ぬるくふやけた甘ったるい毎日でも。 五十鈴と一緒にいる少年の笑顔を見れば、どんな叱責も消え失せるであろう。