「……」


極端にして極論。分かりやす過ぎた戒め対象に、五十鈴は首を振って、その場を飛び立った。


こう考えてしまうから、私は駄目なんだ。


“生きた者は救えない”し、あんなモノへの対処など検討がつかなかった。


だからこその絶体死因なのだろう。誰かれも少年のアレを取り払えない。無闇に首をつっこんで、少年に期待を覚えさせるのもあまりにも無責任すぎるではないか。


もしもここで手を出してみろ?情が芽生えた後に残るのは、少年を救えずにより苦悶する己がいて、救われない少年が更に絶望する絵しか生み出されないに決まっている。


誰もいい思いをしない。根本的解決にならない救いなど、ただの生ぬるく甘ったるい同情でしかないのだから、もうこれ以上は――