管理は人単位であるが、北から南では効率が悪いだけでしかないので、まとまった人数をある程度近い場所で管理できるように割り当てられてはいる。
その五十鈴が見ることとなった少年に疑念から興味が湧かないわけもなかったが、“生きている者に見向きしてはいけない”との枷をつけていた五十鈴は“死んでもいない少年”への興味を、わざと吐き捨ててみせた。
何か訳ありであろうが、この少年が死ぬのはまだ先。自分がでしゃばることもないと五十鈴は自身に言い聞かせ、本来の役割をこなしつつあったが。
名簿を見る度に、少年の項目に一拍の間を持って見てしまっていた。
二十歳で死ぬだなんて、あまりにも可哀想だと思いもすれど――世の中にはもっと早くに亡くなる人もいるんだと、無理に少年への悲哀を取り払っていた。


