止めなければならない、ああ、分かっている。“そうであってもやってしまう”から、五十鈴は追い詰められていた。


割りきれない本音。

捨てきれない性格。

見過ごせない根本。


一人で苦悩しながらも、五十鈴はある時、不思議な少年を見つけてしまった。


死神には、自身が伐採すべき魂(人)が分かるように予定鬼籍帳という、その人その人の寿命が書かれた名簿が渡されるのだが。


人の寿命というのは一日ごとに大きく変化する。予定としてでしかない、梅雨前線ほどに不規則に変化する名簿の使用方法など、単純に、自身の伐採すべき魂を把握するしかないのだが。


ある日、渡された名簿に初めて見る事柄が書かれてあった。