――そこで気づいた。 思い出す度に、歌を口ずさみながら咀嚼する“誰か”のおかげで、アレがなんだったのかに気づいた。 僕だって持っている、左右対称に一本ずつある細く長いものを。あるべき場所になく、それ“単体”だったために気づかずにいたが。