今でも続いている、お人好し行動。それを五十鈴の上司が知っているかいないかは分からないが、今のところ、お叱りは受けていない。
前に比べれば極端に減った、という改善の旨を見越してあえて言わないのか。もしくは死神の役割を疎かにはしていない許容範囲での救いと断定されたのかもしれないが、止めがないならば、五十鈴の性格は変わらなかった。
代わりに、苦悩が大きくなる。
責任感が強いことが時として災いに転じる。死神として失格だと、叱責通りに受け止めた五十鈴だからこそ、救いたい気持ちをぐっと堪えてみせたのに――どこかで堰にヒビが入る。
自身で設けた他者との堰にできたヒビは我慢できずに見過ごすこともままならず、ついつい首をつっこんでしまうという愚行に走ってしまうのだ。


