しかして、魂は肉体がある限り、まだ“こちら側”に残ってしまう。片やのものばかりが溜まるのでは、次代転生への阻害でしかないため、そこで神はある役割を産み出した。


肉体と魂を別(わか)つ伐採師を用意したのだった。


器を壊さずに、魂だけを切り離すことができる鋏(はさみ)を持つモノたちは、輪廻転生の循環をスムーズにする大役を担う。


事実、彼らのおかげで肉体に縛られていた魂は解放され、次代へと早い内に進むことができた。


“死んだ者を救うモノ”と言えよう魂の伐採師なわけだが、死に間際に現れるために『死神』と呼ばれることなり、浸透するのは対して時間がかからなかった。


人にとっての死は、恐怖の象徴だ。死に関わる彼らを不吉なものとして忌み嫌うのは致し方がない。