付け加えれば、輪廻転生という言葉もある。


大雑把に言えば、人は繰り返し生きるという説だ。


人が生きるには三つの要素が必要であり、どれかが欠けてはいけない。


しかしながら、次の転生において、必要たる要素に肉体は含まれていなかった。


肉体を作るのは、あくまでも人(母胎)である。神(一般的に言われる呼称)の手がするのは、人が作ったモノに“人生を授ける”ことだった。



生命と魂。
源泉と心。


人の出生(転生)に必要なそれらを、神――あるいは生命の仕組みが、一つでも多く“収集”しておきたかったのだ。


肉体は現世のモノが産み落とすために制限はないが、生命と霊魂に至っては数が限られている。


輪廻転生(サイクル)の中の限定数にして、絶対数は増やすことができずに、次の時代に出生させるためにも、転生には生命と魂の要素(素材)の基盤が必要であった。


科学では証明できず、人間では作れもしない、未踏なる地にある問題だ。


生命はもう既に転生素材として“あちら側”に溜まっている。