頼りがいある人とは、彼女みたく一本の芯が通ったような凛々しい姿の人で。
優しい人とは、彼女のように分け隔てがない笑顔を自然と出せる人だ。
ああ、理想の母親に安心感を覚えるのと同じことか。
この時の僕にとっての彼女とは、母親のような存在なのかもしれない。
捨てられた母親の代わりになるような、お日様みたいな人だ。
そこからは久々に大泣きした。
泣きながら、色んなことを話した。
寂しかったから、苦しいや、痛い。今まで我慢してきた――吐き出せる場所がなくて、胸にしまっていた想いがボロボロと涙と一緒に出てきた。
言いながら、気づく。
――ああ、僕はこんなにも弱っていたんだと。
弱っていることを自覚すれば、一気に壊れる気がして、見なかったことにしていた。


