よく話してくれた、と指先から伝わるような触れ方だった。
「不安になるな、悲しむな。私は、呪われたりなんかしないから」
私物のハンカチを取り出した彼女が、僕の目元を拭いてくれた。
「で、もぉ……っ、シュウくんは……。ボク、また、だれかをきずつけて……」
それはきっとお姉さんも例外じゃないと、僕は彼女の言葉に素直に頷けなかった。
ずびずびと鼻をすすれば、ハンカチが鼻に添えられる。鼻をかめとは、ハンカチ越しに挟む指から分かり、僕は鼻から息を吐き出した。
「お前の呪い――ソレは、お前しか興味ないものだから。誰が言ったか分からないが、周りを呪うだなんて過敏になるな。
それでも信じられないというなら、こっちを見ろ」


