中指斬残、捌断ち儀



一人は寂しいんだ、孤立は悲しいだけで、独りぼっちは苦しかった。


現実が助けてくれないから、幻想に助けてと投げ掛けて、やってきたフクロウに期待を抱いてしまった。


僕の助けては、単純だ。



『一緒にいて』



ただそれだけ。

たったそれだけで、救われると僕は思った。


そうして、目の前にいる彼女に『もしかしたら』と想像を働かせる。


劇的な存在たる彼女は、テレビのヒーローに近い。言わずとも、弱いものの声を分かってくれると、僕は口に出せずに俯くばかりだったが。


「言いたいことがあるなら言った方がいい。少なくとも私は、子供の言うことに耳を傾けないほど余裕ないわけでないから」