伯母さんは僕を捨てない。捨てられるはずもないし、こんな『都合良い存在』を疎みはすれど、嫌いにはならないだろう。
何せ、“浄め儀”をする伯母さんは笑っているし、逃げる場所も帰る場所もない僕が行き着く先というのは春夏秋冬の家だけで――僕はどこにいっても、人に嫌われてしまう役回りなんだ。
誰も呪いと関わりたくなんかない。藁人形が友達になろうと言っているようなものだ。不気味なものなんかと、手なんか繋ぎたくない。
フクロウなら人じゃないから僕が話しかけても呪われないと、単純に考えて、あんなに友達の想像ばかりしていたのに。
「……」
フクロウさんはお姉さんになってしまった。
いや、お姉さんでもあったと言うべきか、“人”である彼女に僕は変な葛藤を抱いていた。


