彼女の開いた右目側がこちらを向く。
「どうかしたか」
去ろうとしたのに止められ不謹慎だ、とは言わないが、どこか不可解そうな顔をしていた。
そんな顔を見て、僕は思わず手を話したが、彼女は去ってはくれない。
止めたかった僕にしてみれば、今の『お姉さんが行かない』というこの状況は願ったことでも――いざ話そうとすると、唇が開かない。
フクロウさんとお友達になりたい。なれば、そのフクロウたる彼女とも仲良くなりたいことに繋がるが。
僕と話す人は、呪われるんだ――
シュウくんのように。
『お前がいたから、お前の家族は不幸になった!呪われた!だから、あたしが預かったんだ!お前の呪いに対して、無事なのはあたししかいないのよ!』
有り難く思えと、言い聞かせてきた伯母さんの言葉の通りに。


