中指斬残、捌断ち儀



「今まで私に使った分と私の軽率な――浅い考えでしてしまったことに対しての謝罪の気持ちがこの五百円玉にはある。これで鉛筆でもノートでも買って、更にいっぱい勉強するんだぞ。学ばなければ、大人にはなれないから」


僕の頭を撫でたあとに、彼女が立ち上がった。膝にはかなりの土がついていて、彼女はそれを払うも、茶色は残る。パレオにもついていたようだが、そちらは気にしていないようだ。


「私の下らない話に付き合わせてしまって、すまなかった。もう会うこともないだろう、達者でな」


達者でなと言ったあとに、それは子供に通じないかと、彼女は「さようなら」とわざわざ言い直して、背を向けてしまった。


一連のことに、僕はあることを思った。


このお姉さんが、あのフクロウだと。