嫌だろう、そんなの。と彼女は聞いてきたので、僕は首を縦に振った。
「友達というのは支え合うものだ。物で釣って産まれた間柄――仲に、信頼は置かない方がいい。お前は友人と信じていても、そういう手合いはすぐに裏切るだろうから」
何だか説教くさくなってきた。
でも彼女が自分勝手に説教しているのではないと分かる。
全部、僕を――僕のこれからを思ってのことなんだろう。
「ごめんな……さ、ぃ」
気づけば口にした言葉に、彼女ははっとしたように首を振った。
「い、いや、謝らせるために言ったわけではない……!そのだ、な……、元はといえば私がした行いがお前に対して良くない教育をさせてしまって、ただそれを間違いだと言いたく来たわけであって……!
――って、また私は、これもお節介だったか……」


