中指斬残、捌断ち儀



どんなに探してもいない。もしかしたら、知らない誰かが取って行ってしまったのかもしれないと第三者の介入を疑いもしたけど。


「お前は、ひらがなも読めないのか?」


突然かけられた声に、尻餅をつきそうになった。


なんとか踏ん張り振り向けば、声をかけられた驚愕が唖然となる。


腰に右手をあて、堂々とした立ち振舞いの女性が、僕を見下ろしていた。


ずいぶんと細い体型で、背が高いのだけど、僕が唖然としてしまった理由がその女性のファッションにあった。


独創的というか独特というか、個性的とも言えようファッションには、前にテレビで放映されたパリコレモデルを見たときの感想と同じことを思ってしまう。