注意されたけど、『構ってもらえる』ということを知り、僕はその日も駄菓子屋でお菓子を買って、同じ場所に置いた。
買ったのは五円玉型のチョコ。見た目通りに五円だったので二枚買って十円のお支払い。
これで僕のランドセルの中にある所持金は十円だけとなった。
一枚だけ残したのは、伯母さんが『何かあったときようのため』と持たせたお金と頭にあったからだけど、きっと僕はまたフクロウに構ってほしくなり、次の日に最後の十円を使うところだっただろう。
――ところ、だった。
使わなかったのは、それこそ“言葉で注意された”から。
文字では足りない。事実、僕は守らなくてもいいと高をくくってしまい、繰り返してしまった。


