叩かれることはなかったが、あの温厚なおじいちゃんが咳き込むほどに声を荒げるとなって、僕のしたことがいかに重大なのかを叫ぶようだった。
ごめんなさいと謝った、悪いことしたから怒られているんだと、怖いおじいちゃんに謝ったけど、祖父の怒りとはやりきれない悔しさから、僕に八つ当たりしているに違いなかった。
どうして責められよう。
好奇心が大きくなった子供が土蔵に入ったことを。注意だけでは足りない、逆にもっと入りたくなるあまのじゃく心を祖父だって幼少期に経験しているはずだ。
確実な方法なら土蔵の扉を目張りしてしまえば良かったし、単純な方法なら土蔵の鍵を子供の手の届かないところに隠せばいい。


