中指斬残、捌断ち儀



途中、クッキーを置いた場所にたどり着く。


『多分』とつく場所なのだけど、大きな葉っぱがやけに下を向いていた。


「……」


ラムネを見て、辺りを見る。


誰もいないことを知ったあとに、僕はラムネをその葉っぱの上――昨日のクッキーと同じように置いて、その場から走った。


悪あがきだ、どうしようもない。


同じことをすれば同じことが起こるんじゃないかと、つまりは、一度家に帰ってからまた来れば、ラムネはなくなりフクロウの羽が置かれているかもしれないだなんて安直に考えてしまった。


結局ながら、ラムネは変わらずにそこにあって僕は更に落胆してしまうわけだけど、もしかしたら精神が多い幼少時代――都合良い夢見れる年頃の僕は、もう少ししたらラムネを取りに来てくれると根拠ない期待を芽生えさせ、葉っぱ上のラムネをそのままにしておいた。