中指斬残、捌断ち儀



足取りが軽い。


道を視覚で捉えていながら、頭はフクロウが僕の腕に止まる場面。フクロウの鋭いカギ爪で生身の腕に止まられたら危険でしかないんだけど、そこまで考えない当時の僕の『フクロウといっしょ』想像では限界を知らずに好き勝手だった。


フクロウに掴まり空に連れていってくれるともまで考えたあたりで、山間の道についた。


ここまでくれば、学校から春夏秋冬の家にまで八割近づいたようなもの。体力的にも限界が近づいているため、いつもならまっすぐにわき目もふらずに帰るけど。


「フクロウさーん」


何度も立ち止まって、僕は呼び掛けた。


辺りを見回し、声を出して、また探す。


倍の時間をかけて春夏秋冬の家に繋がる石段前までついたけど、フクロウに会えなかったから、僕はまた引き返した。