30円のラムネ。
飲み物の方ではなく、指ほどの大きさもないクリアブルー色の容器に入った錠菓の方だ。
会計時はかなりドキドキしたけど、終わってみれば肩透かしをくらうほど『何もなかった』。
トラブルがあっては困るけど、こうもすんなり終わってしまうと身構えたこちらとしては物足りない。
けど、だからといって居座る気分になれず、僕はすぐに駄菓子屋を出た。
右手に買ったばかりのラムネを握りしめて、そこからは走るように帰路に戻った。
学校から片道40分かかる道を走るだなんて、無謀すぎることは体力がギブアップをあげたので途中から歩きになった。
ただ、あのフクロウの姿を思い出すと、歩調が自然と早くなってしまう。


