それでも僕は膝小僧を手のひらで叩いて、駄菓子屋の中に入った。
昔ながらといった古くて物が細々ある店内には、おばあさんが一人、椅子に腰かけていた。
いらっしゃいとも言わずに、おばあさんは縫い物をしている。
おばあさんの横にある台にはレジがあったので、あのおばあさんにお金を渡すんだとは言われずとも分かった。
あとは肝心の買うものだけど。
駄菓子屋というのは案外、十円程度の商品が溢れている。
少し良いものでも百円いくかいかないか程度、五十円を持つ僕が『買えるもの』というのはかなりの数があった。
フクロウにあげるにはどれかと考えるも、はじめての一人買い物に何だか落ち着かなく、僕は急くようにあまり考えず、ものを買った。


