中指斬残、捌断ち儀



(五)


人の友達は作れないから、フクロウの友達を。


次の日も懲りずに、僕はフクロウに何かをプレゼントしようとしていた。


快晴続く日照りの中、ランドセルを背負う僕はその日、通学路から少し外れた場所を歩いていた。


見慣れない道ながらも、この脇道近辺に駄菓子屋があることは遠目から知っていたので迷いはしなかった。


寄り道をしていた、僕は。


先生なんかには寄り道はしていけないと言われていたけど、少しだけと、僕の思いは先走るばかりだった。


あのフクロウにまた何かあげたい。


お友達になるためのきっかけがプレゼントだなんて、なんとも俗物的だが、相手が警戒心強い野鳥なのだから、他にいい案が思い付かなかった。