中指斬残、捌断ち儀



僕の意識が戻ったと家から駆けつけてくれたのだろう。祖父母とて、僕をかわいがってくれた人たちだ。


一週間も原因不明の熱に伏せていたのだから、彼らとて親同様に涙すればいいものの。


「開けたんか?」


祖父が真っ先に口にしたのは、その一言。


泣きもせず、この世の終わりだと言いたげに、ただただ血の気の引いた顔で僕を見下ろす。


開けたんか、そう聞かれて、僕はあの木箱を思い出した。


開けたとは言ってないが、僕の思い当たるという顔を見て、祖父は僕の体を掴んだ。


「なんでだっ、なんで開けた!」


血相を変えたの体現をする祖父は僕の体を揺すり、怒鳴る。祖母はその後ろでボロボロ泣き始めてしまうし、静まり返った病室内は一気にけたたましくなった。