学校から帰ってきてから、どこかに行くだなんて、もしかしたら初めてかもしれない。
単にそれは、外出する予定がなくて、この長い階段がしんどかったんだけど。
カラカラだった筈の喉で、渇いた息を繰り返し、唾を水分だと走りながら呑み込んだ。
そうまでして、僕は突き動かされた。
早く結果が知りたいと、あのフクロウはクッキーを食べてくれたかと、足を駆けたのだ。
走ったおかげで、離れてから時間はそれほど経っておらず、引いたつもりの僕は存外に性急で。
――あのフクロウは、それ以上に刹那主義だった。
クッキーがなくなっていたのを確認し、僕の胸は高鳴った。


