また近くで見たいと、僕は立ち上がろうとしたが、近づけば逃げるという前回があった以上、動かない方が利口だとも思った。
道端の塀にいた野良猫を見る以上に興奮し、心が先ほどから「わー、わー」と、ときめきを音色にしている。
近くに来ないかなーと見た僕の中で、あのフクロウはかなり特別だった。
辛い毎日の中で見つけた楽しみ、暗闇の中の一点の光は大袈裟かもしれないが、僕はあのフクロウと仲良くなりたかった。
……フクロウと友達だなんて馬鹿馬鹿しいと思わないでくださいね、くれぐれも。
幼少期ならば、誰とでも友達になれると思いますから。人だろうと、犬、猫でも、果ては花にでさえ、人間(こちら)と意志疎通ができると信じきっていた時に現れたフクロウと、僕は何としてでも仲良くなりたかった。


