ランドセルを横において、足を伸ばす。車が来たら体育座りでもしようと目論みたが、車なんか通る気配もなかった。
ぼーっと深緑色の杉の木を見て、体力回復に専念した。
むわっとした緑の香りは、そこらへんに杉の木と雑草が生えているからに決まっている。
アスファルト上においた手も、少し後ろに持っていけば、土をこする。道路以外の場所など見向きもされないため、草たちは伸び放題にその手を開かせていた。
時折、草木を揺らす風が僅かに冷たく心地よさを運んできた。
自然はいいと思える瞬間だけど、すぐにじとーとした気温になるんで、嫌な気分になるのも早かった。
「……」
そういえばと、ランドセルの上に手提げ袋を置こうとして、思い出したことがあった。


