中指斬残、捌断ち儀



僕に起こったことを説明すれば、帰ってきた母親が土蔵が開いているのに気づき、僕を見つけてくれた。不自然に足場が倒れていたので、その前にあった桐の箱を開ければ、僕が気を失っていたとか。


そこまでならば、子供がふざけて起こした事故にともなり得るが、気を失っていた僕は見るからに普通な健康状態ではなかった。


顔が真っ赤。熱湯を被ったかのように熱く、ひどくうなされていた僕を見て、母親は救急車を呼んだ。


最初は幼児特有の麻疹やインフルエンザかと思われたみたいだが、結局のところ、僕の熱は一向に下がらず、そのまま一週間、僕は寝込んでいたらしい。


原因不明と便利な文字を使われ、もしかしたら回復しないかもしれないと医者から言われていれば、両親のあの涙も納得がいく。