中指斬残、捌断ち儀



ただしそれはごく僅かしかなく、僕に追いつかれそうになった時点でそもそも隠れるだなんてバカな話だ。かくれんぼもこちらが見ていれば意味がないのに。


体力の限界たるシュウくんには、目先のことしか頭になかった。


隠れられるわけもない木材の束に『もしかしたら』と期待し、向かってしまった。


一方の僕はあと少しで追いつくものだから、ここぞとばかりに駆け出した。勢いばかりが目立ち、捕まえるが突進するになり代わるほど。


高性能のブレーキがついていない僕の足は止まらず、隠れるために減速したシュウくんに僕は後ろからぶつかってしまった。


絡まる肢体。
バランスを崩し転倒。その際、シュウくんが木材の束を壁とくくりつけていたロープを掴んでしまう。


子供の体重でも外れてしまう結びだったらしく、ロープは倒れるシュウくんの支えにならず、一緒に落ちた。


シュウくんが倒れ、その隣に僕が。


鼻を打ったらしいシュウくんが「いてえ」と呻くなか、僕は自分たちに覆い被さる影を見た。