中指斬残、捌断ち儀



けど、その普通なんだが打ち崩されてしまうのは案外に早いもので、僕は更に追い詰められてしまう結果になるわけだけど。


5月の初め、桜が散り気味になった温かい風の季節。


その日、僕とシュウくんは鬼ごっこをしていた。


前の時間に体育があっても、まだ走り足りないと有り余っていた体力を僕たちは思う存分、走る足に費やしていた。


最初はシュウくんが鬼だったけど、すぐに僕が捕まり、鬼の立場が逆転する。


シュウくんの足は早かった。からかうように逃げるシュウくんを僕は追ったけど、なかなかに追い付けない。


それは僕の足が遅いという結果だけど、他にもシュウくんは最初からフルスロットルで逃げていたのも原因だろう。